Date: 3月 21st, 2009
Cate: 傅信幸
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傅さんのこと(その1)

傅さんのことを知ったのは、1978年ごろの無線と実験の記事で、
そこで傅さんはハンダの試聴をされていた。

プリント基板のパターンとパターンをハンダを盛ってつなぐことで、
パターン・ハンダ・パターン・ハンダ・パターン……というワイヤーをつくり、聴きくらべるというものだった。

面白いことをやられているな、と感心するとともに、記事を読むと、傅さん自ら、
このハンダとパターンによるワイヤーを自作されたとある。

やってみるとわかるが、これはかなり面倒な作業である。
しかも、そうやって作ったワイヤーは、ハンダの音を聴くためのものであり、
自分のオーディオ機器・システムのためのモノではない。
あくまでも試聴・取材のためだけのモノである。

そういうことは、たいてい編集者がやることだろうに、なぜ、この傅さんという人は、
自分でやられているのだろうか。

当時10代半ばだった私は、不思議に思った。
そして、無線と実験に執筆されている他の筆者とは、
伊藤喜多男先生とともに、あきらかに違う人だということも感じていた。

インターネットの掲示板を見ていると、ときどき傳さんと書く人がいる。
よく似ている漢字だが、これでは「でん」さんになってしまう。

傳ではなく、傅(ふう)さんが正しい。

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