Date: 7月 21st, 2011
Cate: 瀬川冬樹
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確信していること(その18)

ステレオサウンド別冊「コンポーネントステレオの世界 ’80」で瀬川先生がつくられている組合せは、6つだ。
予算50万円の組合せ(これがグルンディッヒの組合せ)、
予算100万円の組合せ、予算200万円の組合せ、予算400万円の組合せがまずあり、
その他に、予算50万円の組合せからスタートして100万円、200万円とグレードアップしていく組合せ、
予算100万の組合せから、200万円、400万円とグレードアップしていく組合せだ。

グルンディッヒのProfessional BOX 2500以外のスピーカーシステムで、
最終的に組合せに選ばれたのは、スペンドールBCIII(100万円の組合せ)、アルテック620B(200万円の組合せ)、
JBLの4343(400万円の組合せと、JBL4301からグレードアップしていく400万円の組合せ)、
メリディアンのM1(ヴィソニック・Expuls2からグレードアップしていく200万円の組合せ)。

400万円の4343とマークレビンソンのML6とML2、それにマイクロの糸ドライヴプレーヤーの組合せは、
記事中にあるように、瀬川先生の、このとき、常用されている組合せとほとんど同じもの。
これと対極にあるのが、200万円の620Bの組合せといえよう。

620Bには、コントロールアンプにアキュフェーズのC240、
パワーアンプは2つ選ばれていて、ひとつはC240とペアになるアキュフェーズのP400、
もうひとつはミカエルソン&オースチンのTVA1だ。
プレーヤーはパイオニアExcusive P10にオルトフォンのカートリッジMC20MKII。

この組合せに登場してくるものは、4343の組合せに登場してくるモノとすべて対照的な性格をもつ。
プレーヤーのマイクロのRX5000 + RY5500とExclusive P10からして、
プレーヤーとしての構成も音も対照的。
カートリッジも4343の組合せのEMT・XSD15とオルトフォンMC20MKIIは、共通する良さをもちながらも、
対照的な音の性格をもっているし、使いこなしに関してもそうだといえる。

C240とML6は、コントロールアンプとしてのコンセプトは対照的である。
入力セレクターとレベルコントロールだけで、しかもモノーラル構成のML6と、
コントロールアンプとして求められる機能をほぼ備え、大半の機能をプッシュボタンで操作するC240。
しなやかな表現というところでは共通性があるとはいえるものの、
音の肉づきを過剰なまでに抑え込むML6に対して、C240にはそういう過剰なところは感じとれない。

パワーアンプのP400は、AB動作で200W+200W、A級動作で50W+50Wの出力をもつ。
記事を読むと、620Bの能率が高いこともあってA級動作での組合せのようだ。
このA級動作という点ではML2と共通しているが、ここでもC240とML6の違いのように、出てくる音には、
アキュフェーズという会社とマークレビンソンという会社(というよりもレヴィンソン個人)の違いが、
よりはっきりと聴きとれる。

そしてML2と管球式のTVA1の音の違いは、P400のとき以上に、音の本質的な性格は対照的になる。

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