私にとってアナログディスク再生とは(その16)
これまで私がふれてきたベルトドライヴのアナログプレーヤーについてふりかえってみて、
低トルクのモーターによるものが、音が良かった、といえる。
ただし、音が良かったベルトドライヴのプレーヤーは低トルクのモーターばかりだったが、
低トルクのモーターを使っていたら、いい音のするアナログプレーヤーというわけではない。
そして、ここでいう音の良さは、リムドライヴのアナログプレーヤーとベルトドライヴのアナログプレーヤーでは、
性質的に正反対のところにある──、そんな印象も持っている。
そのことが駆動方式の構造の、どういったところに関係していて、そういう差が出るのかは、
正直掴みきれていない。理論的にも、だが、直感的にも、こうじゃないだろうか、ということすらない。
ただ、これまでの経験から、リムドライヴではモーターのトルクはあったほうが、
ベルトドライヴではモーターのトルクはできるだけ小さいほうが、
それぞれの駆動方式ならではの音の特質を発揮してくれるように、私の耳は捉えている。
だから「20世紀の恐竜」として捉えたとき、EMTの927Dstを最後のプレーヤーとして選びたいし、
21世紀にアナログディスク再生を積極的に楽しむためのプレーヤーとしては、
ノッティンガムアナログスタジオのAnna Logを選びたい。