私にとってアナログディスク再生とは(その1)
ステレオサウンドに「スタジオの音が聴こえる」を連載されている高橋健太郎氏が、
6月17日に、Twitterでオーディオマニアに質問されている。
「死ぬまでに一度、聞いてみたいアナログ・カートリッジか、プリアンプはありますか?」と。
「死ぬまでに一度」のところをどう捉えるかによって、答えは少し違ってくる。
死ぬまでにもう一度自分のモノとして手に入れて聴きたいモノと、
死ぬまでに一度聴くことができればそれで満足できるモノとがあるからだ。
自分のモノとして手にいれたいアナログディスクの再生関連のオーディオ機器となると、
価格や程度のいいものが入手可能かどうか、そういうことを一切無視して、ということだと、
カートリッジはノイマンのDST(DST62よりもDSTのほうをとる)、
プレーヤーシステムはEMTの927Dstで、フォノイコライザーにはノイマンのWV2となる。
これらの程度のいいものを探し出して入手するとなると、どれだけの金額が必要になるのか、
まったく現実的ではない答えになってしまうけれど、
この時代にアナログディスクの再生に真剣に取り組むためにはこれらが必要なのではなくて、
むしろその逆で、これらのプレーヤーシステムで演奏することによって、
そのディスクに別れを告げるためにほしい、と思う。
1990年代の前半、サウンドステージの編集に短い期間ではあったけれど携わっていた。
そのときアナログプレーヤー関連のページをつくろう、ということになって、
「20世紀の恐竜」というタイトルを提案したことがある。
このタイトルは却下された。恐竜という単語が、ひっかかったためである。
タイトルは、たしか「アナログアクティヴ」になったと記憶している。