現代スピーカー考(その1)
1年ほど前だったと思うが、ある掲示板で
「現代スピーカーの始まりはどこからか」というタイトルで語られていたのを、ちらっと読んだことがある。
この問掛けをした人は、ウィルソン・オーディオのスピーカーだ、という。
コメントを寄せている人の中には、B&Wのマトリックス801という人もいたし、
その他のメーカー、スピーカーの型番をあげる人もいた。
挙げられたスピーカーの型番は、
ほぼすべて1980年代の終わりから90年にかけて登場したものばかりで、
ここにコメントしている人たちは、私よりも10歳くらい若い世代か、さらにその下の世代かもと思っていたら、
大半の方が私よりも二、三歳上なので、驚いた。
もっと驚いたのは、誰一人、現代スピーカーの定義を行なわないまま、
スピーカーの型番を挙げ、その理由というよりも、私的感想を述べているだけなことだ。
特定の人しか読めないようになっている内輪だけの場や、
酒を飲みながら、あれが好きだとかこれはちょっと……と語り合うのは、くだらなさを伴いながらも楽しいし、
そのことに、外野の私は、何も言わない。
けれど不特定の人がアクセスする場で、
少なくとも「現代スピーカーはここから始まった」というテーマで語り合うにしては、
すこし幼すぎないだろうか。
話をもどそう。
現代スピーカーは、KEFからはじまった、と私は考える。