早瀬文雄氏の文章(余談)
10月12日から始めた早瀬文雄さんの文章の公開は、いまのところ一日一本のペースでやっている。
ステレオサウンド 95号から始めたのには、これといった理由はなく、
いちばん近くにあったからだけが、その理由だ。
95号の特集は、「最新スピーカーシステム50機種・魅力の世界を聴く」で、
大型、中型、小型の三つのグループに分けての試聴を行っているだけでなく、
単発の記事として、上杉先生の「ついに〝ジャジャ馬〟を飼い鳴らした! アルテックにおける人間研究」と、95号の表紙にもなっているゴールドムンドのアポローグもある。
別項で、ステレオサウンドを弁当に喩えると、幕の内弁当、さらにはマス目弁当化している、と書いている。
95号は、そうなる前のステレオサウンドである。
ゴールドムンドのアポローグの記事だが、これを読んで不思議に思われた方もいるだろう。
表紙にもなっていることもあって、モノクロ5ページがあてられているが、
扉のページに、製品解説:早瀬文雄、ヒアリングインプレッション:傅 信幸とある。
普通だったら、二人のうちのどちらかが製品解説も試聴も担当するのに、
このアポローグの記事だけは違う。
しかも扉のページには、編集部による文章もあったりする。
このアポローグの記事が、こうなったのにある理由がある、と確信している。苦肉の策のはずだ。
当時、舘(早瀬文雄)さんに理由をきくこともしなかった。
その理由がきくまでもなくわかっていたし、そういうことだったんですね、で通じていた。