バッハ 平均律クラヴィーア曲集(その10)
ヴィルヘルム・ケンプのベートーヴェンは愛聴盤といえるほどに聴いている。
ベートーヴェン以外でもケンプの演奏は割と聴いているけれど、
自分でも不思議に思うほど、バッハは聴いてこなかった。
まったく聴いてこなかったわけではないが、ケンプの平均律クラヴィーア曲集は、三十年ほど前に聴いて以来、
つい最近まで聴いていなかった。
三十年前の印象が悪かったわけではないのだが、
特にこれといった理由もなく、
ずっと聴かずに年月が経っていただけだ。
そのケンプの平均律クラヴィーア曲集を聴いている。
三十年ほど聴いてこなかったことを後悔はしていない。
いいバッハだ、素晴らしい平均律クラヴィーア曲集だ。
三十年前は、そうは感じられなかった。