モバイルバッテリーという電源(その11)
アンカーのPowerHouse 90は、ある人に貸し出している。
バッテリー電源というと、こんな先入観を持っている人も少なくないと思う。
S/N比はよくなっても、線の細い音になってしまう──、
つまり音の力感に欠けてしまう──、
そんなふうに思われがちではないだろうか。
バッテリー電源といっても、さまざまな種類と容量があって、
その使い方によっても、音は変化してくるのだから、
一概はそうとはいえないまでも、なんとなくそういう印象がついてまわってもいる。
今回、貸し出した人もそう思っていたそうだ。
ところが、そんな予想とは異なり、鳴りっぷりも不満なかった、とのことだった。
そうだろう、と私は思っている。
バッテリー電源といっても、直接DC電源を供給しているのではなく、
AC110V、60Hzに変換しての供給である。
ここで注意したいのは、正弦波であるかどうかである。
この手の製品は、アンカー以外にも各社から出ている。
PowerHouse 90よりも安価で容量の大きな製品もあるが、
それは果たして正弦波出力だろうか。
疑似正弦波出力のものもけっこうある。
アンカーは純正弦波出力を謳っている。
実際に、その波形を見て確認したわけではないが、
音を聴く感じでは、正弦波だと信じている。
私は、(その9)で書いているように、
メリディアンの218用に使っている。
210用にもう一台購入しようか、とも考えている。
210は218よりも消費電力が大きい。
218の5Wに対して15Wである。
このくらいならば、十分使えるはず。
30W前後の消費電力の製品でもいけるような気はしている。
マランツのModel 7の消費電力は、確か35Wである。
Model 7の電源をPowerHouse 90からとれば、
アメリカと同じ60Hzになるし、110Vだから昇圧トランスも不要になる。