オーディオと「ネットワーク」(SNS = SESか・その17)
オーディオ雑誌の読者相談コーナーが、
インターネット(ソーシャルメディア)に移っただけ、と書いたのは、
相談内容だけが当時とあまり変らないと感じたからであるし、
その回答についておもうことがあるからだ。
昔のオーディオ雑誌にあった読者相談コーナーは、
ステレオサウンドの編集という仕事柄、目は通していた。
すべてに目を通していたとはいえないけれど、
編集部に届く雑誌の、そのコーナーは眺めていた。
けれど、感心するような質問があったという記憶はない。
質問内容がそうなのだから、回答も推して知るべしだった。
ソーシャルメディアでの相談も、そうだ。
なぜ、こんな質問をするのか──、とつい思ってしまう。
まわりに、誰もオーディオのことを話せる相手がいないのか。
そういえば、以前、菅野先生からきいたことを思い出す。
地方の若い世代の人は、友人知人にオーディオに関心がある、といえないとのことだった。
カミングアウトにも近いものを感じて、のことなのだそうだ。
いまはそうなのかもしれない。
そうだとしたら、ソーシャルメディアで、そんな質問をする人も、
友人知人にオーディオに関心があるといえないのかもしれない。
関心があると周りにいえる人でも、周りにオーディオに関心がある人先輩はいない可能性は、
いまの時代、ないとはいえない。
だからソーシャルメディアを利用するのか。
ただ感じるのは、回答のレベルの低さというか、
なんとなげやりな回答なのか、と思うこともある。
そんな回答をするぐらいならば黙っておけ、といいたくなる。
そんななげやりな回答をした本人は、明快な答を返したとでも自惚れているのか。
こんなレベルだったら、まだ昔のオーディオ雑誌の相談コーナーのほうがましだ。