2022年ショウ雑感(その7)
OTOTENの前身はオーディオフェアである。
祭であるのだから、楽しめればいい、とは私も思わないではない。
製品をかえるごとにディスクも、というやり方も全否定はしたくない。
でも、同時に、比較試聴する楽しみも、来場者に伝えるのも、
出展社の役目だと考えている。
今回、私が入ったブースではディスクを一枚ずつかけていた。
ならば二枚ずつかければいい。
一枚は、すべての機種で共通してかけるディスク、
もう一枚は、その製品の音の特徴をうまく抽き出してくれるディスク。
同じ曲を続けてかけると帰ってしまうであろう人も、
これならば最後までつきあってくれるであろう。
今回のOTOTENだけでなく、インターナショナルオーディオショウもそうなのだが、
これから鳴らす機器の音の特徴を話してしまう出展社(人)がけっこうある。
音を鳴らしたあとに言うのならばいいけれど、なぜこれから聴こうとしている人に、
あえてバイアスをかけるようなことを言うのか。
オーディオショウでの音出しは、出展社にとってはプレゼンテーションである。
だからこそ、なのは理解したいと思うのだが、
時として、というか、けっこうの場合、それは逆効果でもある。
ほんとうにそのとおりの音が鳴ってくれればいいけれど、
そうでないことも多いからだ
いい音を会場で出すことも大事なのだが、
同じくらい、うまく聴かせることにも意識をはらってほしい。