オーディオマニアとしての「純度」(続・カザルスを聴いておもうこと)
2020年10月に、
「オーディオマニアとしての「純度」(カザルスを聴いておもうこと)」で、
燃焼こそ純度だ、と書いている。
2020年10月の時点では、カザルスのベートーヴェンの交響曲を、MQAでは聴けなかった。
TIDALでMQA Studioで聴けるようになったのは、2021年秋からだ。
カザルス指揮によるベートーヴェンの交響曲第七番は、最初LPで聴いた。
CBSソニーのLPで、だから国内盤である。
マスターサウンドを謳っていた。
その音は、というと、決していいとはいえなかったけれど、
カザルスの燃焼するさまは、きちんと伝わってきた。
でも聴いていると、もっといい音のはず、と思う。
しばらくしてドイツ盤を買って聴いた。
音の艶、弦の響きなど、日本盤とはさすがに違う、と感じたものの、
カザルスの燃焼度ということでは不満が残った。
これならば日本盤のほうをとる。
CDになって、日本盤、アメリカ盤を聴いた。
カザルスのベートーヴェンの交響曲は、優秀録音とはいえない。
それはわかっているのだが、もっとどうにかなるのではないのか──、
そんなおもいがずっとついてまわっていた。
それでも聴けば、その凄さに圧倒されるのだから、
充分な音といえば、そういえなくもない。
それでも欲はある。
MQA Studio(44.1kHz)で聴けるカザルスの第七番は、
燃焼こそ純度だ、とそういえる音で鳴ってくれる。
その美しさが聴きとれる。