Date: 3月 2nd, 2022
Cate: 録音
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録音は未来/recoding = studio product(その6)

無線と実験のレギュラー筆者の一人である金田明彦氏。
金田式DCアンプで知られる人だから、説明の必要はないだろう。

金田明彦氏は、1970年代の終りごろからだったか、
録音機のDCアンプ化に積極的に取り組まれていた。

オープンリールデッキ、カセットデッキ内の録音アンプ、再生アンプをDCアンプ化、
それだけにとどまらずマイクロフォンも手がけられるようになった。

たしかショップスのマイクロフォンユニットを使い、
マイクロフォンアンプのDC化である。

録音機のDC化の最初のころは、ミキサーも発表されていたと記憶しているが、
DCマイクロフォン以降は、マイクロフォンの性能が著しく向上したということで、
ワンポイント録音のみになっていった。

高校生のころ、金田明彦氏のこれらの記事を読みながら、
いったいどんな録音が可能なのか、その音を一度聴いてみたい、と思っていた。
無線と実験は、金田明彦氏の録音をLPにして発売しないのか、とも思っていた。

と同時に、録音する演奏は、どうしても限られてしまう。
このことが気になっていた。

録音器材のDCアンプ化によって、
金田明彦氏のいうようなほんとうに凄い録音が可能になったとしても、
そこで録られた演奏が、さほど聴きたいものでなければ、
もっといえば録音はよくても演奏が拙ければ──、
そんなことも思っていた。

聴きたいのは、素晴らしい演奏である。
その素晴らしい演奏が、いい音で聴けるのならば、さらに素晴らしいことなのだが、
どんなに素晴らしくいい音で録音されたとしても、
演奏そのものが、その音の良さに追いついていなければ、
聴いていて、どう感じるだろうか。

最初は、その音の良さに驚くはずだ。
でも二回目以降は、もしかすると一回目の途中からでも、
演奏の拙さのほうが気になってくるかもしれない。

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