JBL 4320(その13)
JBLの4320が登場して五十年。
程度のよい4320の数も少なくなっている。
4320に搭載されているユニットは、すべてアルニコマグネット。
アルニコマグネットは衝撃に弱い。
井上先生がよくいわれていた。
アルニコマグネットのスピーカーを、一度ドスンとやってしまうと、
もう元には戻らない、と。
ドスンという衝撃を与えても、見かけはまったく変化なし、である。
けれどアルニコマグネットの性質上、磁気特性がダメになってしまう、とのことだった。
そういうこともあるから、4320の程度のよいモノを見つけ出すことは、
運が味方しないと難しい、と思っている。
それでも一度は自分の手で4320を鳴らしてみたい。
クラシックを4320で聴きたい、とは思っていない。
スカッとした音で、4320を思う存分鳴らしてみたい。
大袈裟な、大がかりなシステムではなく、
ほどほどの規模のシステムで鳴らしたい。
アンプは、GASが、いちばん思い浮ぶ。
AMPZiLLAではなく、その下のモデルのSon of AMPZiLLAでもなく、
Grandsonが合うんじゃないか。
となるとコントロールアンプもTHALIAに決る。
THALIAは、上二つのコントロールアンプの陰に埋もれがちなのだが、
あの時点で、もっとも現代的アンプといえたのは、THALIAである。