オーディオの楽しみ方(つくる・その41)
自作するオーディオマニアは減っているのだろうか増えているのだろうか。
自作に関する本はいまも出版されているが、
昔とくらべると減ってきているし、
自作記事をメインとする雑誌も数は減ってきている。
ステレオサウンドの読者は、自作なんてしないから──、
そういう人が大半なのだろうか。
誰も実態を調べたりしないから、なんともいえないが、
少なくとも以前のステレオサウンドは違っていた。
以前のベストバイは、読者アンケートを行っていて、その結果を載せていた。
51号(1979年夏号)の読者の現在使用中の装置のところを見る。
スピーカーシステムはヤマハのNS1000Mが、使用台数138、総数比率5.5%、
プリメインアンプはラックスSQ38(歴代モデルをふくめて)、使用台数190の総数比率7.5%、
コントロールアンプはヤマハのC2(a型も含めて)、使用台数275、総数比率15.7%、
パワーアンプはQUADの405、使用台数102、総数比率5.9%で、それぞれの一位である。
けれどスピーカーシステムでは637、プリメインアンプは11、
コントロールアンプは218、パワーアンプは236が自作である。
スピーカーシステムではダントツの一位となるし、
パワーアンプでも405の二倍以上、
コントロールアンプはヤマハのC2には及ばないが、三位のラックスのCL35の倍以上。
プリメインアンプは自作が難しいということがあってだろう、
11という数字はかなり下位である。
とはいえ、コントロールアンプとパワーアンプの自作率は高い。
このアンケート結果だけでは、どんな自作なのかまではまったくわからない。
ただ「自作」という項目があるだけだ。
このころのステレオサウンドのスーパーマニアには、自作の人がけっこう登場していた。
とにかく昔のステレオサウンドの読者も、自作は特別なことではなかったのだろう。