SAE Mark 2500がやって来る(コントロールアンプのこと・その15)
ハルアンプのIndependence TypeIIに近い配線方法なのが、
ステレオサウンド 45号に掲載されている上杉先生のアンプである。
昔のステレオサウンドには自作のページが、不定期で載っていた。
45号には、
「最新テクノロジィによる真空管式ディスク中心型プリアンプをつくる」というタイトルで、
マッキントッシュのC22の回路をベースに、
シンプルな機能のコントロールアンプを発表されている。
Independence TypeIIは銅板を配線のベースにしているのに対して、
上杉先生の、このアンプはベークライトの板をベースにしている。
ベークライトの板に、穴開け加工をして金属製のビスを立てていく。
配線に必要な数だけ立てていく。
Independence TypeIIでのバインディング端子を、ビスで代用しているわけだ。
もちろん上杉先生のアンプにバインディング端子を使っていい。
上杉先生は部品の入手しやすさを重視しての金属製ビスの採用なのだろう。
45号の時、中学三年生だった私は、
これなら作れそうと思ったほどだった。
記事には穴開け用の方眼紙的な図も載っていた。
この図を使ってベークライトの板に穴を開けていく。
ビスを立てて、部品をハンダ付けして、配線していく。
丁寧に、慌てずにやっていけば、失敗の可能性は低い。
プリント基板を自作するよりもいい方法のように思えた。
自作するほどの予算がなかった私は作ることなく終ってしまったけれど、
これはいまでもいい方法だと思っている。
ただ、当時、私の住んでいた田舎で、
上杉先生のアンプ製作に必要な大きさのベークライトは入手できなかっただろう。
とにかく上杉先生の、このアンプが頭にあたったものだから、
ほぼ一年後のステレオサウンド 50号で、Independence TypeIIを見た時、
この二つのアンプが重なった。