Date: 6月 24th, 2021
Cate: 戻っていく感覚
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SAE Mark 2500がやって来る(その10)

ボンジョルノのアンプということとははなれてしまうが、
EMTのアナログプレーヤー内蔵のイコライザーアンプの155st。

このアンプもFETは一切使わずに、トランジスターのみで構成されている。
155stの設計は古いし、プロ用ということで、入力と出力にはトランスが入っているし、
DCアンプなわけでもない。

多くのアンプが初段には差動回路を採用するが、155stは違う。
基本的に真空管アンプの回路に近い、といえる。

もし155stの後継機として157stといったモデルが登場した、としよう。
FETを採用し、初段は差動回路、DCアンプ構成になっていたかもしれない。

157stというモデルは存在しないから、こんなことは妄想でしかないのだが、
155stとはずいぶん違った音になっていたであろう。

私はEMTのアナログプレーヤー(930st、927Dst)に感じているヴィヴィッドな音は、
かなり失われてしまっていたようにも想像できる。

だからといってFETがダメだ、と断言したいわけではない。
私自身、ディネッセンのJC80の初期モデルの音には、ずいぶんしびれたものだった。
ジョン・カール設計のJC80は、全段FETのコントロールアンプである。

AMPZiLLA 2000はどうなのだろうか。
出力段にはFETを採用しているのではないだろうか。
輸入元のエレクトリのサイトをみても、そのへんの記述はない。

なのに、そう思う理由は、
ジェームズ・ボンジョルノが、2004年6月に取得している特許、
“HIGH FIDELITY FLOATING BRIDGE AMPLIFIER”では、FETによる出力段だからだ。

ボンジョルノは1980年10月に、The Goldに採用された回路で特許をとっている。
2004年の特許の回路はAMPZiLLA 2000に採用されているはずだ、と思うからだ。

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