ACアダプターという電源(その2)
ACアダプターとは、いわゆる外付け電源である。
外付け電源といえば、オーディオマニアにとっては、
マークレビンソンのLNP2、JC2が採用したことから、
コントロールアンプの理想の実現のための条件の一つのようにもうつっている。
私も中学生のころは、そう思っていた、というより信じていた。
電源トランスを、アンプ本体と別シャーシーとすることで、
その影響から逃れられる。
けれど少し勉強すればわかることなのだが、
外付け電源にするということは、アンプ本体との接続用ケーブルが必要になる。
このケーブルは外付け電源の設置の自由度を考慮すると、それほど短くできない。
どうしてもある程度の長さは必要となる。
ケーブルは、どんなに良質のものであっても、インダクタンスをもつ。
ケーブルが長くなれば、それだけその値は大きくなる。
マークレビンソンの外付け電源には定電圧回路が内蔵されていた。
定電圧回路の出力インピーダンスは低い。
けれど、それはあくまでも定電圧回路の出力端での値であって、
そこからケーブルを伝わって、別シャーシーのアンプ本体に届くときには、
ケーブルのインダクタンスによって中高域からインピーダンスの上昇が始まる。
電源部とアンプ本体を結ぶケーブルが長くなればなるほど、
インピーダンスの上昇は低い周波数から始まることになる。
つまり可聴帯域において、定電圧回路の出力インピーダンスは、
ケーブル込みのトータルでは、フラットではなくなってしまう。
ではどうすればいいのかというと、ケーブルを短くするのが一つの手である。
マークレビンソンもML6では、かなりケーブル長が短くなっている。
それにマークレビンソンの電源も、途中からリモートセンシングを採用することで、
インピーダンスの上昇を抑えるようになった。