Date: 9月 18th, 2020
Cate: 冗長性
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redundancy in digital(その9)

ラドカ・トネフの「FAIRYTALES」は、初期のデジタル録音である。
三菱のデジタルレコーダーX80が使われている。

X80はサンプリング周波数50kHzである。
まだCDのフォーマットが制定される前に開発されていたためである。

その「FAIRYTALES」を、いま一枚のディスクで、
44.1kHzの通常のCD、SACD、それからMQA-CD、それぞれの音を聴ける。

どの音がいちばんいいのかを書くつもりはない。
それぞれのシステムによって、どれがよく鳴るのか(適しているのか)は、
違ってくるはずだからである。

そうであっても、「FAIRYTALES」を聴いていると、
なんといい音だろう、といつも思う。

CDレイヤーで聴いても、SACDレイヤーで聴いても、
MQA-CDとして聴いても、そのことに変りはない。

「FAIRYTALES」を聴いていると、これが初期のデジタル録音とは思えないのだ。
もちろん、いま入手できるSACD/CD(MQA-CD)ハイブリッド盤の制作に当って、
あらたにマスタリングがなされたであろうから、それによるところも大きいはずだ。

けれど、元の録音が素晴らしいから、ということを忘れるわけにはいかない。

いつごろからか、一部の人たちのあいだで初期のCDの音が見直されているようである。
初期のCDとは、1982年のCDの登場から数年のあいだに出たCDのことである。

一枚の値段が3,800円、3,500円していた時代のCDである。
なぜ、そのころのCDが音がいいのか、その理由として、
一部の人たちは、マスターテープの劣化を、ここでも持ってくる。

でも、ほんとうにそうだろうか。

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