218(version 9)+α=WONDER DAC(その11)
物理的なS/N比を向上させたければ、
アンプの場合では入力端子にショートピンを挿せば、
たったこれだけのことでS/N比の数値は高くなる。
ステレオサウンドでは、以前、測定を積極的に行なっていたころ、
アンプのS/N比を、ショートピンを挿した状態、
実際の使用条件にあわせた状態での測定の両方を行っていた。
ショートピンありだとS/N比はよくても、
たとえフォノ端子にカートリッジ、それもインピーダンスが高いMM型を取り付けた状態では、
S/N比がかなり悪くなる機種が、意外にも少なくなかった。
私がステレオサウンドを読みはじめた1976年ごろ、それ以降も、
ヤマハのコントロールアンプ、プリメインアンプは優秀だった。
ショートピンありの状態でも抜群のS/N比の高さを誇っていたが、
カートリッジありの状態で、さほど低下せず、測定機種中、優秀な値を示していた。
つまりショートピンを、空いている入力端子に挿すだけで、
アンプのS/N比は向上する。
これは大半のアンプに有効なのだが、
ごく一部のアンプにおいてはショートピンを挿すと発振気味になる場合もあり、
100%良くなるとはいえない。
測定器がなくても、ショートピンの効果は、ノイズを聞けばすぐにわかる。
クロストーク、それも両チャンネル間のそれではなく、
各入力間のクロストークのことであり、
ショートピンの有無は、この各入力間のクロストークをなくしてくれる。
メリディアンの218には、アナログ入力端子がある。
ここにショートピンを挿す。
これだけである。