Date: 7月 21st, 2020
Cate: オーディオ評論
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オーディオ評論家の「役割」、そして「役目」(あるオーディオ評論家のこと・その4)

一流のオーディオ評論家は、いまや一人もいない。
だからこそ、オーディオ雑誌は年末の賞をやる、といえるところがある。

賞の選考委員は、一流のオーディオ評論家ですよ、とアピールしたいのだろう。
二流のオーディオ評論家が選考委員では、その賞そのものの意味がなくなる。
威厳もなくなってしまう。

どちらかというと、賞のもつ、そんな俗物的な面を守るために、
一流のオーディオ評論家が必要である。

それに賞の選考委員ということで、
オーディオ評論家は一流ぶることができる。
持ちつ持たれつの関係ともいえる。

いまのオーディオ業界にいるのは、一流ぶったオーディオ評論家だ。
でも、そんな彼らも、あるところでは一流なのかもしれない。

彼らはオーディオ評論家(商売屋)としては、一流なのだ。
オーディオ評論家(職能家)として一流である必要は、いまの時代ないのだろう。
そんなことオーディオ雑誌の編集者も求めていないように見受けられる。

読者ですら、そうなのかもしれない。

オーディオ業界で喰っていかなければならない、
家族を養っていかなければならない、
そんなことを彼らは言う。
実際に私に言った人がいる。

オーディオ評論家(商売屋)として一流であれば、
むしろそうであったほうが喰うには困らないのだろう。

そんな時代に、一流ぶることなく「私は二流のオーディオ評論家ですから」という人がいた。

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