アンチテーゼとしての「音」(iPhone+218・その9)
そういった儀式がなくなければいい、とは考えていない。
それでも、なぜ、そこまで儀式にこだわるのかを自問してほしい、ということだ。
それでも儀式にこだわる人はいるわけで、
そういう人のなかには、iPhoneなんかで音楽が聴けるか! と主張する人もいる。
iPhoneは持ち運べるモノであり、しかもオーディオ専用プレーヤーではない。
スマートフォンの機能として音楽を再生できる。
専用プレーヤーとしての据置型のオーディオ機器で再生することこそ、
オーディオの本来のあり方だ、とこだわっている人からすれば、
外付けのD/Aコンバーターをもってこようと、
iPhoneなんかで音楽が聴けるか! となって当然なのかもしれない。
最初iPhoneを218に接続したとき、
それほど大きな期待をもっていたわけではなかった。
iPhoneと218を接続するには、Lightning-USBカメラアダプタとD/Dコンバーターが必要になる。
すでに書いているように、iPhoneで使えるD/Dコンバーターは少ない。
私が使っているのはFX-AUDIOのFX-D03J+である。
数千円で購入できるモノで、バスパワーで動作する。
Lightning-USBカメラアダプタもオーディオ専用アクセサリーとは、とてもいえない。
D/Dコンバーターも高品質なモノとはいえない。
これらを介してのiPhoneでの音楽再生である。
大きな期待をするほうがおかしいといえるし、
どれだけの実力と、可能性があるのかを自分の耳で確認したかったから、やってみた。
やってみて、侮れない、と感じた。
そう感じたから、FX-D03J+にも手を加えた。
ますます侮れない、と感じるようになった。
iPhoneを機内モードにしてみる。
これだけでも音は良くなる。小さくない音の変化で、
機内モードにするかしないの音の違いは、audio wednesdayでも聴いてもらっている。
さらにaudio wednesdayでは、それまで使っていたアプリをすべて終了させたうえで、
一度電源をオフにして起動しなおして、音楽再生に必要なアプリのみを起動させている。
こうやって聴いてもらうiPhone+218の音に、
「MCD350に戻してくれ」の声があがったことは一度もない。