4343と国産4ウェイ・スピーカー(その12)
トゥイーターを追加した次のステップは、ウーファーの選択、追加、そしてマルチアンプ化である。
3ウェイにスーパートゥイーターを追加した4ウェイと、
ミッドバス専用ユニット搭載の4ウェイの大きな違いは、ウーファーのカットオフ周波数にある。
4343の、ウーファーとミッドバスのクロスオーバー周波数は300Hz、
3ウェイ・プラス・スーパートゥイーターの4ウェイだと、
ウーファーとスコーカーのクロスオーバー周波数は低くても500Hzより上、600だったり800Hzだったりする。
4333A(3ウェイ)の、ウーファーのカットオフ周波数は800Hzだ。
4350Aは、250Hzに設定されている。
どれも同じウーファー(2231A)なのに、3ウェイか4ウェイかで違うし、
4ウェイでもネットワークなのかバイアンプ駆動なのか、で異ってくる。
ウーファーのカットオフ周波数を低くしたとき、
ネットワークのコイルの値が大きくなることが問題となってくる。
4343では5.4mHのコイルが、ウーファーに対して直列にはいる。
空心コイルの場合、5.4mHのコイルに使用する線材の長さは、
コイルの内径、厚みによって多少変動するが、60m前後必要となり、
直流抵抗値は、線径が18AWG(1.02mm)だと、おおよそ1Ω、
すこし太い16AWG(1.29mm)で0.7Ω、14AWG(1.63mm)で0.5Ω弱となる。
鉄芯入りだともうすこしワイヤー長が短くできるが、今度は磁気歪みの問題がかわりに出てくる。