とんかつと昭和とオーディオ(余談・その3)
いま書店に並んでいるおとなの週末の最新号の特集は、とんかつ。
そこに西荻窪のけい太という店が、高く評価されている。
西荻窪は以前住んでいたし、いまは途中の駅である。
途中下車して行ってみた。
駅からはとても近いビルの地下一階にある。
そこは昭和のころは、別のとんかつ店だった。
二三度行ったことがある。
令和に、新しいとんかつ店になっている(開店は2019年11月とのこと)。
夕方早い時間に、一人だったこともあり、並ぶこともなく入れた。
でも次々と客が入ってくる。
電話もかかってきていた。予約の電話のようだった。
おとなの週末であれほど高い評価なのだから、だろう。
私もおとなの週末を見て来ているのだから。
まず、なにもつけずにそのまま食べてほしい、とあった。
それから塩、わさび醤油、ソースをお好みで、とあった。
そのとおりに食べた。
感じたのは、刺し身的ということだった。
とんかつはソース! という私でも、
けい太のとんかつはわさび醤油がいい、と感じていた。
残念なこと、というか、不思議なこと、というべきか、
ソースをつけたのがいちばん少なかった。
ソースも、スパイシーなウスターソースであったならば、と思いもしたが、
ないものはしかたない。
食べていて、昭和のころのおいしいとんかつとは違ってきたことを感じていた。
どちらも私は好きなのだが、
ちょっとおもうところもある。
それは刺し身的に感じられたこととも関連してくるのだが、
このとんかつならば、白いご飯よりも、他にもっと合うものがあるのではないか。
けい太のご飯もおいしかった。
ケチをつけるようなことではないのだが、
昭和のおいしいとんかつ、
つまり白いご飯とよく合うとんかつに親しんできた者は、
そんなことをつい思ってしまう。
もっとも、このことも、
昭和のそういうとんかつに慣れ親しんだことでつくられた感覚にすぎないのかもしれない。