Date: 2月 14th, 2020
Cate: アンチテーゼ
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アンチテーゼとしての「音」(iPhone+218・その7)

(その5)へのコメントがfacebookであった。
デザイナーの坂野さんからのコメントで、
《コンパクトさを好ましいと思いながらも、仕事で使う道具は何よりも安定性を求めたくなります。そうすると、物理的な余裕が必要となり、重量級の機器になります》
とあった。

これから書こうとしていたことを、ほぼコメントしてもらったかたちになった。
EMTのアナログプレーヤーは、プロフェッショナル機器であるから、
まさに道具である。
930st、927stは放送局、927Dstは原盤検聴用としてレコード会社での道具である。

そこには抜群の安定性が求められ、
927Dstのモーターだけでなく、930stのモーターにしても、
いまのアナログプレーヤー、当時のコンシューマー用プレーヤーのモーターの平均からすれば、
かなり大型である。

ターンテーブルプラッターのシャフトも同じである。
太く長いし、プラッターとの嵌合もしっかりとしている。

現場で要求される安定性のための大きさと重量である。
その視点で、大きすぎると感じるオーディオ機器を眺めてみる。

たとえばテクダスのAir Force ZERO。
このアナログプレーヤーの大きさと重量を、どう捉えるか。

私は、非常に大きすぎる、と感じている。
そう感じていない人もいることだろう。

Air Force ZEROの大きさ、重量(投入された物理量)は、安定性のためなのだろうか。
おそらく、音のため、という答が返ってくるであろう。

それはそれでいいのだが、大きすぎると感じてしまうのは、
Air Force ZEROに投入された物理量が、安定性に直結していないのではないか、
いきすぎた物理量の投入は、むしろ、安定性を損ねているところも生じているのでは──、
そんな疑問があるからだ。

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