Date: 2月 14th, 2020
Cate: 素材
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素材考(Air Motion Transformer)

ハイルドライバー(Air Motion Transformer)。
私がオーディオに関心をもつ以前から存在していたにもかかわらず、
ずっと一般的なユニットとなることはなかった。

ハイルドライバーが搭載されたスピーカーシステムで成功し、
知名度も高いモノといえば、エラックの310だろう。

1990年代の終りごろに登場した、このコンパクトなスピーカーシステムは知人宅で聴いた。
ホーン型をおもわせるかのようなエネルギー感の再現に驚いた。

エラックはハイルドライバーと呼ばずにJETトゥイーターとしていた。
オリジナルのハイルドライバーよりも、ずっとコンパクトにまとめられてもいた。

この時からハイルドライバー、AMT型ユニットに強い関心をもつようになった。
エラックの310の登場から数年、
それまでドーム型ユニットを採用していたメーカーも、
AMT型ユニットを使うようになってきている。

いまでは少数派ではなくなっている。
嬉しいことではあるが、それらすべての製品を聴いているわけではないが、
AMT型ユニットには、
ある種のキャラクターがどうしてもついてまわっているような感じも捨てきれずにいた。

おそらく振動板のベースとなっているカプトンに起因しているのだろう。
高分子系素材が適しているのは理解しているが、
もう少し粘性のある素材がベースになっていれば、どんな音になるのだろうか、とは思っていた。

オオアサ電子のオーディオ・ブランドであるEgrettaから、TS-A200が登場した。
トゥイーターにハイルドライバーを採用している。

これだけならば、珍しいことではない。
TS-A200は振動板のベースに、新素材のポリマー・クレイ・コンポジットを採用している。

TS-A200のページには、こうある。
     *
ハイルドライバーは長い歴史を持ち、これまで振動フィルム素材にカプトン材(ポリイミド/高分子素材)が用いられることが主流でした。TS-A200は「ポリマー・クレイ・コンポジット」という、新機能性開発素材を採用し、更にフィルムの折り方を含めた製法を弊社独自に刷新する事で、より自然な音色の再現をはかりました。(特許・意匠登録取得済)
     *
TS-A200は聴いていない。
なのでなんともいえないのだが、
私が気になっていたカプトンの、いわば固有音は、ここにはないはずだ。

ユニットを単売してくれないだろうか、とも思っている。

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