MQAのこと、音の量感のこと(その7)
私が好きな音は、みずみずしい音である。
とはいえ、この「みずみずしい」音の正体がよくわかっているわけでもない。
なぜ、みずみずしい音とそうでない音とがあるのか。
それからヨーロッパのオーディオ機器にみずみらずしい音を感じることが多いのはなぜなのか。
アナログディスクからCDへと移行して、みずみずしい音が、
それまでみずみずしい音を出してくれるスピーカーだと思っていたのに、
あきらかにみずみずしさが減じた音がしてきた。
これはなぜなのか。
デジタルになったからみずみずしい音ではなくなってきたのか。
そうともいえるだろうし、それだけではないはずだとも思ってきた。
MQAの音を聴いて、みずみずしいと私は感じている。
ということはデジタルだから、とはいえないわけである。
そういえば、と思い出すのは、
アナログディスクにおいても、ダイレクトドライヴ型プレーヤーが主流になって、
みずみずしい音は失われつつあったのではないだろうか。
すべてのダイレクトドライヴ型ではみずみずしい音が出ない──、
とまではいわないものの、総じてダイレクトドライヴ型からはみずみずしい音が感じとりにくい。
私がダイレクトドライヴ型以外のアナログプレーヤーを使ってきたのも、
無意識のうちにそのへんのことを感じとっていたからなのか。