Date: 11月 16th, 2019
Cate: ワーグナー
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ワグナーとオーディオ(その5)

ワグナーのハイライト盤はあまりない。
ワグナーの楽劇は、かなり長い演奏時間を要するにも関らず、である。

つまりワグナーの楽劇を聴くのであれば、ほぼ全曲盤を聴く、ということになる。
最初から最後まで一気に聴きとおさなければならない──、
そういいたい気持はあるけれど、現実にはなかなかそれだけの時間を確保するのが難しい。

私も、ワグナーの楽劇を一気に最後まで聴いたことは、そうそうない。
どこかで休憩をいれるか、
もしくは二日に分けて聴くこともあるし、途中まで、もしくは途中から、という聴き方もする。

LPからCDになり、ワグナーの楽劇は、途中で盤面を変えることが減った。
単に回数が減っただけでなく、幕の途中でのディスクのかけかえも減っている。

この点では、LPよりCDのほうが、ワグナーの楽劇の鑑賞に適している、ともいえる。
このことはCDが登場したときから思っていたけれど、
だからといって、一気に聴く時間がのびたかというと、必ずしもそうとはいえなかった。

厳密な比較ではない。
感覚的な比較でしかないのだが、
CDだと、聴きとおすしんどさが増しているように感じていた。

LPだと20数分で盤面をかえる必要があるから、
わずかな時間とはいえ、息抜きのようなことができるが、そのおかげとは思えなかった。

CDだと、なぜだが息苦しさ的なことを、LPよりも強く感じてしまう。

──実は、ここまでは(その4)のあとに書いたままにしていた。
二年経って、続きを書き始めた。

書き始めた理由はMQAにあり、
なので、なんとなく、こんなことを書こうかな、と決めていたことと、
少しばかり変ってきている。

この一年MQAを聴いて感じていることの一つが、
ワグナーの楽劇を聴くための技術のようにも感じていることだ。

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