Digital Integration(roonのこと・その2)
1996年にソニーが発売したCDプレーヤー、CDP-CX200Fというモデルがある。
型番の200が示すように、CD200枚をおさめられるCDチェンジャーである。
ディスプレイには、CD-TEXTに対応していて、
英数字で曲名、演奏者名を表示できた。
また別売のテキストディスプレイユニットでは漢字も表示できるようになっている。
これらの機能は文字情報がCDに入っている場合のみだが、
そうでないCDでもメモリー機能を利用して、曲名、アルバム名などを入力・記憶できた。
付属品としてリモコンだけでなく、ディスクジャケットアルバムがついていて、
ここにCDのブックレットをおさめられた。
オーディオマニアはおそらく見向きもしなかったCDP-CX200Fこそが、
roonの出発点といえる。
1996年ごろ、Danny Dulai氏はハタチぐらいで、
友人とニューヨークに住んでいた、とのこと。
その友人が持っていたのがCDP-CX200Fで、
彼らは二人がもつCD(約200枚)を、CDP-CX200Fにすべて収納して楽しんでいた。
けれど同居は解消になり、Danny Dulai氏の元には、
彼が所有するパイオニアのCDチェンジャー(6枚式)と、彼のCDだけとなる。
同居が終るまでに、なんとか200枚のCDを別の方法で聴けるようにしたい。
そしてCDP-CX200Fでの音楽鑑賞の体験こそが、roonにつながっている。