MQAのこと、カセットテープのこと(その5)
写真家の野上眞宏さんのところに、
メリディアンの218が入って、ほぼ一ヵ月。
野上さんによると、mp3の音もいい、ということ。
今日は野上さんのところでいろいろな曲を聴いたあとで、mp3の音源も聴いた。
それまで聴いていた音とは、はっきりと違う。
違うけれど、他の機器で聴くmp3音源の嫌な感じは気にならない。
ない、とさえいいたくなる。
それに音の印象が、実にカセットテープの音の印象そのままに感じる。
高校生のころ、
レコード(アナログディスク)をカセットテープにダビングした音を思い起こさせる。
低音域も高音域もナロウレンジになっている。
ダイナミックレンジも狭くなっている感じがある。
それに不安定とまでいうといいすぎかもしれないが、安定感にはかける。
ふわふわした感じがつきまとうなど、
私がカセットテープに抱いている印象そのままで鳴っている。
悪くない。
これだったら、しばらく聴き続けていられる。ちょっと意外な感じがした。
こんなことを書くと、
MQAは非可逆圧縮、mp3も非可逆圧縮。
非可逆圧縮音源の再生が得意なD/Aコンバーターなんだろう──、
そんなことを言い出す輩がいるはず。
mp3はデータ量が少ないからひどい音で、
ハイレゾ音源のようにデータ量の多いものはいい音で、
そうであってこそハイ_・フィデリティだ──、
つまり二つの音源の違いがはっきり出たほうがいい、というのか。
私はmp3でしか聴けない音源があるのだから、
mp3がカセットテープのような感じでもいいから、
聴いていて苦痛になるような感じが払拭されている218での音は、歓迎する。