オーディオ雑誌考(その3)
No.1のオーディオ雑誌とは、いったいどういうものなのか。
発行部数(売上げ)が一番のオーディオ雑誌がNo.1なのか。
収益がNo.1なのが、そうなのか。
広告の量がもっとも多いのがNo.1という見方もできる。
変ったところでは、編集者の学歴(偏差値)の高さというものもできなくはない。
ステレオサウンドにいたころ、
オーディオ専門の広告代理店にKさんがいた。
私より年上だが、ほんとうにオーディオ好きな人で、
なんだかんだいってよくオーディオの話をすることがあった。
Kさんは広告代理店の人だから、
ステレオサウンド以外のオーディオ雑誌の会社にも行く。
編集者が、どういう人なのかもわかっている人だった。
そのKさんが、ある日、こんなことを言っていた。
オーディオ雑誌を出版している会社のなかでは、
音楽之友社が学歴は一番だよ、と。
Kさんによると、最低でも○○大(有名私大)だし、
○大(旧帝大)卒もあたりまえのようにいる、とのことだった。
音楽之友社と比べると、ステレオサウンドは……、と二人で笑ったことがある。
現在の音楽之友社がそうなのか、それは知らないが、
1980年代は、そうだ、と聞いている。
こういう尺度でみれば、音楽之友社のステレオがNo.1という見方もできよう。
なにをもってNo.1なのか。
誰もが納得するNo.1とは、どういうものなのか。
そして、腐っても鯛は、オーディオ雑誌にもいえることなのか。