MQAのこと、音の量感のこと(その3)
MQAを聴く以前にも、
いわゆるハイレゾと呼ばれるプログラムソースは聴いてきている。
SACDが登場したばかりのころ、
たまたまあるところで通常のCDと比較試聴できる機会があった。
それほど厳密な比較試聴ではなかったけれど、
SACDの音には、ワクワクした。
まったく不満がなかったとはいわないが、
SACD(DSD)が、これからの主流になってくれれば──、と思った。
けれど現実は違っていた。
デジタルに、PCMとDSD、どちらもあっていい。
どちらが優れているわけではない。
どちらにもいいところもあれば、そうでないところもある。
ここ数年、PCMもDSDも、サンプリング周波数が高くなっている。
これらのフォーマットのすべてを、同一条件で聴いているわけではないが、
それでも、友人のところ、オーディオショウ、販売店などで、
ハイレゾと呼ばれる音源を聴いて、音の量感が増した、と感じたことは一度もなかった。
部屋の空気が良くなっていくような感じは受けても、
音の量感に関して、なにかを感じたことはなかった。
自分のリスニングルームでじっくり聴けば、そのへんの印象も変ってくるのかもしれないが、
同じままの可能性もあるようにも感じている。
それだけにメリディアンのULTRA DACを聴いて、
音の量感が増した、と感じられて、驚いただけでなく嬉しくもなった。