カンターテ・ドミノのCD
カンターテ・ドミノのCDのことで補足しておく。
赤色と黒色、2つのレーベルが存在していたのは、そんなに長い期間ではないはずだ。
最初に発売されたCDではなく、あくまで1987年、88年ごろの輸入CDについてである。
知人がやはり同じ時期に購入したのは赤色レーベル(正相盤)だった。
逆相盤は、ほんの一時期、市場に出廻ったものなのだろう。
同じディスクを複数枚購入するとわかることがある。
グレン・グールドのゴールドベルグ変奏曲の輸入CDも、最初の頃は日本プレスだったが、
途中からアメリカ・プレスに変わっている。
ケイト・ブッシュのCDも、最初のドイツ・プレスだったのが、イギリス・プレス、
それも最初はニンバスによるプレスに変り、EMIのプレスと、少なくとも3回変わっている。
プレス工場が違えば音も変ってくるのは当然だが、国内盤で、同じディスクを3枚買って聴きくらべてみると、
プレスの微妙な差があるのか、3枚とも、わずかとはいえ音が違う。
3枚も購入したのは、当時、ステレオサウンドの試聴でもよく使われていた
インバル指揮のマーラーの交響曲第4番の金蒸着CDだ。
私が3枚とも購入したわけではなく、頼まれた分も含めてで、
こういう機会はあまりないからと、試しで3枚とも聴いてみたわけだ。
このころ、CDを乗せたトレイを一度引っ込めて、また出して、ディスクには手をふれずに、
もう一度トレイを戻して再生すると、ディスクのセンタリングがきちんと出ているか出ていないか、
そのせいでサーボ量が変化するのだろうか、少なくない音の変化のするCDプレーヤーが少なくなかった。
うまくセンタリングがピシッと決ると一回目で、いい音が出るが、
たいてい2回目の方が好ましい結果が得られることが多かった。
こういったことをふまえた上での比較試聴でも、やはり3枚のディスクに差はあった。
やや平面的になるものがあった。
アナログディスクのころ、同一スタンパーからプレスされたディスクでも、
つまり同じロットのディスクでも最初の方でプレスされたものと、最後の方のプレスとでは、
音が違うと言われていた。
だから音にこだわるレコード会社はスタンパー1枚あたりのプレス数を制限していたときいている。
CDもそれと同じような理由かもしれないし、まったく違う理由によって音が変ってくるのかもしれない。