Date: 5月 9th, 2019
Cate: 長島達夫
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長島達夫氏のこと(その10)

その2)で書いていることの数ヵ月後だったか、
長島先生が、ステレオサウンド編集部に立ち寄られた。
秋葉原に行ってきた帰り、ということだった。

カバンの中から、何かを取り出された。
初めて目にするモノだった。

ハードディスクだった。
3.5インチのハードディスクで、
そのころだから容量は20MB程度だっただろう。
それでも薄くはない。
分厚く重かった。

ハードディスクという存在についても、当時はよく知らなかった。
ステレオサウンド編集部には富士通のOASIS 100F(ワープロ)があったけれど、
これは5インチのフロッピーディスクで稼働していた。

長島先生がハードディスクについて説明してくれる。
CDとは違って面ブレを起さない、ともいわれたことを思い出す。

将来、CDに代って、こういうモノで音楽を聴くようになるだろうし、
そうなってこそデジタルの良さが活きてくる、とも話された。
いまから三十数年以上前の話である。

長島先生は、その約十年後の1998年に心不全で亡くなられている。
生きておられたら、「ほらな、言った通りになっただろう」といわれたはずだ。

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