Western Electric 300-B(その3)
今回の300Bは、けっこう売れるんだろうなぁ、と思う。
メーカー製の300Bのアンプを使っている人、
真空管アンプを自作している人(ここにはメーカーも含まれる)、
それからオーディオを投資として捉えている人などが買う。
私は、再生産されるのは300Bだけなのか、と思ってしまう。
どのくらい前だったかは忘れてしまったが、
ウェスターン・エレクトリックによる274B、310Aの再生産のウワサもあった。
私はいまでも300Bのアンプでいちばん美しいたたずまいをもつのは伊藤先生のシングルアンプだ、
と思う人間である。
たとえメーカー製の、お金をかけた300Bのアンプであっても、
伊藤アンプのたたずまいに並ぶモノはない。
そうなると300Bだけでなく、274B、310Aも再生産してほしい。
274B、310A(特にメッシュタイプ)は、300B以上に入手が難しくなっている。
310Aの再生産はまずない、と思っている。
300Bと違い、それほど数が出るとは思えないからだ。
整流管の274は、310Aよりは売れるだろうが、
300Bのアンプを作っているメーカー、個人にしても、
必ずしも整流管を使うわけではない。
ダイオードのほうが内部抵抗が低い、レギュレーションがよくなるから、ということで、
整流管は時代遅れだという考えの人もいる。
それに274は整流管の中でも内部抵抗は高い。
私にすれば、だからこそ、と考えるわけだが、
人の考えは人の数だけあるのだから、それはそれとしかいいようがない。
そういう状況において、いま300Bのアンプを自作するならば、
私ならばシングルアンプは選択しない。
どうやっても伊藤先生の300Bシングルアンプのたたずまいに追いつけないからだ。
ならばプッシュプルアンプだ。