Date: 2月 10th, 2019
Cate: アンチテーゼ
Tags:

アンチテーゼとしての「音」(その15)

古典が現代を裁く。

記憶に間違いがなければ黒田先生が書かれたことばである。
EMIから「The Record of Singing」という40枚組のLPが出た。
そのことについて書かれた文章のなかに出てくる(と記憶している)。

古典が現代を裁くことがある。
つねに古典が現代を裁くわけではない。

「The Record of Singing」はその後CDになっている。
「The Record of Singing」のLPは1899年からSP時代末期までの、
往年の歌手たちの歌唱がおさめられている。
CDはその後の歌唱をおさめたボックスも登場している。

SP時代末期の最後のトラックとしておさめられているのは、マリア・カラスの1954年の歌唱である。
カラスの先生であったエルヴィラ・デ・イダルゴの歌もおさられている。

「The Record of Singing」は、歌唱の古典である。
「The Record of Singing」という古典が裁く現代については、
聴いた人が考えることだ。

ここでのテーマであるアンチテーゼとしての「音」も、
現代を裁く古典としての「音」という意味もふくめてのものである。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]