Date: 9月 24th, 2018
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A CAPELLA(とMojo・その8)

(その7)で終りにしようと思っていたが、もう少し書きたいことが残っている。

CHORDのMojoは輸入品である。
これが日本製であったなら、もう少し安価にできるはずなのだが、
日本のメーカーからは、Mojoがなぜ登場してこないのか。

いま発売中のトランジスタ技術10月号に、1ページだが、Mojoの記事が載っている。
内部写真がカラーで載っている。

Mojoを製造することは日本のメーカーでもできるはずだ。
けれど、なぜ開発できないのか、とおもう。

Mojoには三つのデジタル入力端子があるが、入力セレクターはない。
三つの入力には優先順位があって、USBが最優先されている。
日本のメーカーだったら、間違いなく入力セレクターをつける。

Mojoの電源スイッチの色が、入力信号のサンプリング周波数を示す。
ここに関しても日本のメーカーだったら、どうするだろうか。
ディスプレイをつけるメーカーもあろう。

出力端子はどうしただろうか。
そんなふうに細部を検討していくと、
中身は同じだとしても、外観はずいぶんと違ってくると予想できる。

それでも同じ中身を、同等のクォリティの中身を、日本のオーディオメーカーは開発できただろうか。

このくらいモノ、できますよ、というメーカーの人がいるかもしれない。
ならば、つくってくれ、といいたい。

同じことは昔もあった。
ステレオサウンド 55号には書かれている。
     *
いくらローコストでも、たとえばKEFの303のように、クラシックのまともに鳴るスピーカーが作れるという実例がある。あの徹底したローコスト設計を日本のメーカーがやれば、おそろしく安く、しかしまともな音のスピーカーが作れるはずだと思う。
     *
瀬川先生が書かれている。
KEFのModel 303については別項で何度も書いているから、ここではもう書かない。

Model 303も、日本のメーカーは製造はできただろう。
もっと安価にできたはずだ。
けれど開発はできなかった。

日本のメーカーがやったのは、598戦争といわれるスピーカーの開発だった。

そのころから日本のメーカーはスピーカー開発においてはまだしもの感はあっても、
アンプ、チューナーなどの電子機器においては、優秀なモノをつくる、といわれていた。

D/Aコンバーターは、アンプと同じ電子機器であるにも関らず、
日本のオーディオメーカーからMojoに匹敵するモノは出てきていない。

弱体化している、とも感じている。

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