Date: 8月 23rd, 2018
Cate: 日本のオーディオ
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日本のオーディオ、これまで(パイオニア Exclusive 3401・その3)

習作的といいたくなる製品は、多くのメーカーに多かれ少なかれある。
特にスピーカーシステムに多くみられるが、
その中でもパイオニアのスピーカーシステムは習作的といいたくなる製品が、
他のメーカーよりもはっきりと多い、と感じていた。

習作的といっているが、興味深いことでもある。
こういうことを考えているのか、と感心する(反対に呆れるか)ことがあるからだ。
そこでの音はともかくとして、勉強になることは確かだ。

とはいえパイオニアのスピーカーシステムで、Exclusiveの名称がつくのに、
習作的なモノとなると、そこは否定的なことをいいたくなる。

Exclusiveのイメージは、アンプによってつくられていた。
そのイメージからすれば、3301と2301は習作的でしかなかった。
3401によって、どうにかExclusiveのスピーカーといえるモノが登場した──、
当時そんなふうに感じていた。

Exclusive 3401は、ステレオサウンド 46号の特集には登場していないが、
新製品紹介のページには出ている。

その後、47号のベストバイでは、井上先生が☆☆、山中先生が☆☆☆をつけられていた。
51号のベストバイでは誰にも選ばれていない。
けれど49号のSTATE OF THE ART賞には選ばれている。

聴いていないスピーカーだけに、そういう評価なのか、と思いそうになった。
Exclusive 3401Wが、ステレオサウンドの総テストに登場するのは、54号。

黒田先生、菅野先生、瀬川先生が試聴されていて、
黒田先生と瀬川先生が特選であった。

瀬川先生の試聴記の最後に、
《初期の製品の印象はあまりよくなかったが、ずいぶん練り上げられてきたと思う》とある。
そうだったのか……、と納得したものだった。

54号に登場しているのはExclusive 3401W。
Exclusive 3401との違いはエンクロージュアの仕上げだけでなく、
3401Wにはハカマがついているし、トゥイーターの取り付け位置は最初から固定で、
つまり左右対称のユニット配置になっているから、メクラ板はない。

そして、そこにはExclusiveのネームプレートがついている。

Exclusive 3401は、写真をみるかぎり、フロントバッフルのどこにもExclusiveの文字はない。
国産スピーカーだけでなく、海外のスピーカーであっても、
フロントバッフルに型番やメーカー名が入っているモノはある。

Exclusive 3401には、それがない。3401Wにはあるのに。
そのことがグレイの塗装仕上げとともに、
このスピーカーがモニタースピーカーとして開発されたモノだと、私にはおもえる。

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