Date: 7月 28th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design
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聴感上のS/N比と聴感上のfレンジ(その12)

CR方法は、コイルに対しての手法であり、
コイルのあるところならば、いろいろなところに試せる。

スピーカーユニットのボイスコイル、
トランスの巻線、カートリッジのコイル、それからネットワークのコイルもそうである。

ネットワークのコイルに関しては、6月のaudio wednesdayで実験している。
6dBスロープのネットワークだから、コイルはウーファー側にだけ入る。
このコイルの直流抵抗は、約0.5Ω。

DALEの無誘導巻線抵抗は、もっと低い値まであるが、
ディップマイカは下限は1pFまで。
なので1Ωと1pFの直列回路をウーファーのネットワークのコイルに並列に接続した。

ここでの効果は、デメリットになるかもしれない、と半分くらい思っていた。
結果は、意外なことに、ここにおいても効果的だった。

コイルは定常状態を維持しようとする。
信号が流れていないコイルを信号を流そうとすると、
流させまいとしてパルス性のノイズを発生する。
反対の場合も同じである。ノイズが発生する。

このノイズに効いているのだろうか。
効いていないとは考えていないが、それだけとは思えない。

トランスを含めて、コイルのあるところ、今後試していく予定だが、
個人的に興味があるのは、真空管アンプのヒーター回路である。
それも出力管用のヒーター回路である。

ヒーターの点火方法は、定電流(定電圧ではない)点火だと考えている。
以前書いているから省略するがTL431を使った定電流回路が、いまのところはいい。

ただ電圧増幅管はまだいいが、出力管を定電流点火しようとするなら、
非常に大がかりになる。
出力管の定電流点火は、大きなメリットをもたらすだろうが、
その音は聴かない方が賢明だと思っている。

誰かがやったのを一度聴いてしまったら、きっとやってみたくなるはずだからだ。
アンプを設計したことのある人ならば、その大変さは想像できよう。
だから聴かない。

それでも……、とやはり考える。
定電流点火までは無理でも、従来の交流点火も見直せるのではないか。
そのひとつが電源トランスのヒーター巻線へのCR直列回路の取り付けである。

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