Hi-Resについて(SM−SX300のこと)
オプトニカというブランドが以前あった。
シャープのオーディオ用のブランドだった。
たしか光電型カートリッジから始まったから、このブランド名になった、と聞いている。
私がオーディオに興味を持ち始めた1970年代後半、
オプトニカの製品といえば普及クラスのスピーカーシステムとプリメインアンプくらいだった。
型番もすぐには思い出せないほど、印象は薄い。
オプトニカがのブランドを意識するようになるのは、ガウスを扱いはじめてからだ。
オプトニカ・ガウス、
ガウスのユニットに、オプトニカ製のエンクロージュアの組合せ。
JBLの牙城を崩すにはいたらなかった。
いつしかシャープはオーディオから徹底していた。
けれど1999年、SM-SX100というプリメインアンプで、
今度はシャープ・ブランドで、オーディオに復活した。
SX-SM100のフロントパネルには、「ΔΣ」のロゴがあり、
その下に、1BIT AMPLIFIER SM-SX100とある。
SACDと同じ2.8MHzのスイッチング周波数のDクラスのアンプである。
価格は100万円だった。
オプトニカ時代とは違っている、と感じさせるものがあった。
SM-SX100はスイッチ周波数を5.6MHzにアップしたSM-SX200、
さらに11.2MHzまでアップしたSM-SX300にまで発展した。
SM-SX100には1BITのDSD信号用の端子が用意されていた。
もちろんアナログ入力もあったが、SM-SX100の本領を発揮するのは、
DSD信号を入力しての増幅器、つまりPower DACとして、である。
DSD Power DACとしてみた場合、SM-SX300はいまこそ魅力的に映る。
入力端子にUSBがあれば──、とオーディオマニアなら、思うはずだ。
その後シャープという会社がどうなったのかは、ご存知の通り。
SM-SX300をいまの技術で復活させてくれる可能性は低い、というより、ないに等しい。
それに技術は残されているのか、とも思ってしまう。
残されているのなら、シャープがやる予定がないのなら、
どこかが引き継いでくれないのだろうか。