オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(整理と省略・その7)
一年ほど前のことだった。
信号待ちしていたら、近くにいる小さな女の子が、
歩行者用信号についている白杖マークのボタンを押そうとしていた。
一緒にいたお母さんが
「押しちゃダメ。そのボタンは目に障碍のある人が押すんだから」
と制止した。
小学校のときだった、
先生が、あのボタンは視覚障碍者のためのボタンだから、むやみに押してはダメ、
そんなことをいっていたのは記憶にある。
でも冷静に考えてみればおかしな話だ。
視覚障碍者は、あのボタンがあることに気がつかないのだから。
あのボタンは、信号待ちしているときに、近くに、もしくは反対側に、
白杖の人がいたら、代りに押すためのもののはずだ。
それなのに、そうやって使っている人を、これまで一度も見たことがない。
つい数ヵ月前に、あまり通らない信号で青になるのを待っていたら、
かすかな電子音がしているのに気づいた。
白杖マークのボタンが新しくなっていた。
赤で待っているときに、視覚障碍者であっても、
音で近くにボタンがあることを知らせている。
やっと改良されたのか、と思った。
それでも、このタイプのボタンは、まだ他では見かけていない。