300(その1)
私にとって、スーパーカーの代名詞といえば、
ランボルギーニのカウンタックである。
中学生のころに盛り上っていたスーパーカーブーム。
ホンモノを見たい、と思ったのはカウンタックだった。
カウンタックを初めて見たのは、
走っているところを見たのは、東京に来てからだった。
知人で、車にまったくうとい男がいる。
私より10くらい若い。
知人は、ランボルギーニのクルマをみかけると「カウンタックだ」という。
笑い話だけれど、知人にとってもカウンタックは、どうも特別な存在のようである。
カウンタックは、いまでも憧れのクルマであり、東京にいると年に一回くらいは、
いまでも見かけることがある。
カウンタックが、いまでも特別な存在なのは、
そのデザインだけではなく、最高速度が300kmだということもある。
クルマに詳しくない私は、ずいぶん後になってカウンタックは300km出ないことを知るわけだが、
それでもカウンタックと300という数字は切り離せない。
中学二年のころ、オーディオに夢中になった。
オーディオの世界で、300という数字は、パワーアンプの出力にすぐに結びつく。
当時は100Wを超えると大出力という感じだった。
100Wを超える出力のプリメインアンプも、そう多くはなかった。
アキュフェーズのE202(100W)、ラックスのL100(110W)、パイオニアのSA9900(110W)、
ローテルのRA1412(110W)、サンスイのAU1000(110W)、AU1100(110W)、AU20000(170W)、
トリオのKA9300(120W)、ビクターのJA-S20(120W)、
ヤマハのCA1000III(100W)、CA2000(120W)、マランツのModel 1250(130W)、
このくらいである。
このころ200機種近いプリメインアンプがあって、そのうちのこれくらいである。
マッキントッシュのMA6100も70Wだった時代である。