Date: 5月 21st, 2018
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野上眞宏 写真展「BLUE:Tokyo 1968-1972」(その3)

「BLUE:Tokyo 1968-1972」の写真は、モノクロだった。
渋谷の東急文化会館(現在の渋谷ヒカリエ)、表参道を撮影した写真もあった。

それらを写真をみて、Aさんは「日本じゃないみたい」といっていた。
そういう見方もあるのか、と思いつつも、私はまったく反対に感じていた。

子供のころ、モノクロの映像で断片的に知っている(見ていた)東京につながっていく──、
そんな感じでみていた。
つまり「まさしく東京だ」、つまりは日本だ、と思っていた。

Aさんと私は同世代といっていい。
それでも、同じ写真を見ての感じ方は大きく違う。
どちらの見方・感じ方が正しい、ということではないし、
どちらの見方・感じ方が多数派(少数派)ということでもない。

歳は近くても、生れたところ育ったところが違えば、
同じ写真をみても、受け止め方は正反対にもなろう。

1968-1972年の東京のイメージ。
そのころ見てきた映像は、東京のどこか、ということだけで、
どこなのかまではまったくわからなかった。

東京に行ったことのない、土地勘ゼロの、そのころの私には、
その映像が東京である、というところでとまっていた。

もう、あのころみた映像をもう一度、同じ映像を見ることは叶わない。
第一、どんな映像だったのかも正確には覚えていない。
偶然にも同じ映像を見る機会が訪れたとしても、気づかないかもしれない。

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