音の悪食(その6)
だからといって、23時すぎまでの約四時間、
そういう音をずっと鳴らしているわけでは、もちろんない。
しばらく鳴らしていて、どうにかスピーカーが目覚めてきたかな、と感じてから、
チューニングを開始する。
それまで鳴らしているときにも、まったくいじらないわけではない。
でも、それは私にとってはセッティングであって、チューニングという意識はない。
とことん調整したいと思うのであれば、ある一曲を何度も何度もくり返し鳴らす(聴く)。
私一人ならば、二時間でも三時間でも、同じ曲だけをひたすら聴いて調整していく。
でも、こんなことをやると、多くの人は飽きてしまったり、しんどい、と感じるようだ。
でも、一度、そういうこともやってみたい、とは考えている。
常連の人のなかには、宮﨑マジックという人もいれば、
tweakだ、といってくれる人もいる。
最初に鳴ってきた音がどんなであれ、時間内にまとめていく。
そうでなければ、常連の人たちが毎回来てくれるわけがない。
なんらかの発見が、それぞれの人にきっとあるわけで、
だからこそ毎回来てくれている、と私は勝手に思っている。
ただし、その発見は最後までいてくれて(聴いてくれて)の結果である。
途中で帰られるのは、その人の自由であり、
そのことについて何もいわない。
けれど短い時間で帰ってしまえば、何の発見もなしになることだけは、はっきりといえる。
audio wednesdayの音出しは、オーディオ店の試聴とも、
オーディオショウでの各ブースでの試聴とも、その点では違う。
このことの理解なしにaudio wednesdayに来られても、つまらないだけかもしれない。