プリメインアンプとしてのデザイン、コントロールアンプとしてのデザイン(その3)
現行製品のなかで、コントロールアンプとプリメインアンプのデザインが共通なのは、
イギリスのCHORDがある。
CHORDの製品ではD/Aコンバーターは話題になることが多いが、
アンプは、その実力のわりには、あまり話題にのぼることはない──、そんな印象がある。
パワーアンプは、そうとうに優秀だと思っているが、
なんとなく地味に受け止められるのか、それとも他に理由があるのか。
少なくとも私の周りでは、CHORDのパワーアンプの音を聴いている人は、
いいパワーアンプのにねぇ……、もっと注目されていいのに……、という。
そして続くのが、「コントロールアンプのデザインがねぇ……」である。
私も、そう思うひとりである。
CHORDのコントロールアンプは、プリメインアンプと同じデザインである。
これが不思議なことに、プリメインアンプとしてみれば、
優れたデザインとは決して思わないが、こういうのもあって楽しいかも……、と思う。
なのにそれがコントロールアンプとなると、ダメなところが非常に気になってくる。
プリメインアンプであろうと、コントロールアンプであろうと、
操作そのものが変ってくるわけではない。
にもかかわらず、プリメインアンプとして同じデザインが目の前にあると、
ダメなところも、愛矯だよね、と思えたりするのに、
コントロールアンプとしてのデザインと捉えると、好意的に受け取る気持がなくなっている。
「あばたもえくぼ」(プリメインアンプの場合)が、
「あばたはあばた」(コントロールアンプの場合)となる。