オーディオの公理(その8)
2017年秋だったか、
どこかのメーカーがBluetooth対応のスピーカーを発表していた。
アンプ内蔵なのは当然だが、このメーカーは真空管を採用していた。
そして「真空管でなければ出せない音がある」、
そんなことを謳っていた。
そういえばその数ヵ月後に、管球王国でも同じようなタイトルの記事を載せていた。
だが「真空管でなければ出せない音がある」は、
「真空管では出せない音がある」といっているのと同じである。
記事として充実させ、読んで面白い記事にするためには、
「真空管では出せない音がある」ことにも触れていく必要がある、と私は思う。
管球王国での、実際の記事がどんなふうだったのかは知らない。
でも、管球王国という雑誌名と、これまでの記事からして、そこまで踏み込んだ内容とは思えない。
「真空管でなければ出せない音がある」というのは、公理なのか。
公理といえば、そうかも……、とは私も思う。
真空管とトランジスターとでは、そこに使われている材料・材質、
構造がまるで異る能動素子である。
どれだけ回路を極めようと、この二つの能動素子が同じ音を出すということは、
まず考えられない。
その意味では、「真空管でなければ出せない音がある」は公理なのか。
これが公理になってくるのだとしたら、
「真空管では出せない音がある」も公理になってくるのではないか。
そういえば、公理は英語ではaxiomである。
昨晩audio wednesdayで鳴らしたグッドマンのスピーカーの型番には、
axiomがつく。