4343と4341(その4)
4341と4345には台輪(ハカマ)がついている。台輪の下に何かを置いて床から持ちあげても、
底板の鳴りは基本的に変化しない。
台輪の内側にブロックをかませたら、もちろん変化するが、台輪を利用するかぎり、
底板の鳴り(天板の鳴り)はメーカーが意図したままである。
4343に限らないが、台輪がないスピーカーを床にベタ置きしたとしよう。
底板は床によって補強されたのと同じになり、底板の鳴りは大きく減る。
するとどうなる。天板の鳴りが、逆に増えてしまう。
これはダイヤトーンが測定で明らかにしている。
天板の上に石や木を乗せて振動を抑えると、
次はエンクロージュアの強度的に弱い箇所の振動が増える。
どこかでエンクロージュアにたまっているエネルギーを消費しないと、
イタチごっこになってしまうわけだ。
4343の底板の四隅に木のブロックを、できるだけ外側にもってきて、
つまり底板が何にも接触していない面積をできるだけ広くした状態の音を聴いて、
ブロックを少しずつ内側に入れていく。
つまり底板の、フリーな面積が減ることになる。低音の表情が変化していく。
トーンコントロールやイコライザーなどの電気的なコントロールとは、
また違う、低域のコントロール方法である。
4343が縦置きだけのスピーカーで、もし台輪がついていたら、
4343の評価はすこし変わっていただろう。