Date: 11月 24th, 2017
Cate: バスレフ(bass reflex)
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バスレフ考(その9)

バスレフポートの位置で、どれだけ音が変るのかで、
市販スピーカーを見渡してみると、アルテックの620がある。

604-8Gを搭載したモデルが620A、
ホーンがマンタレー型になり、
フェイズプラグもタンジェリン型になった604-8Hを搭載したのが620Bである。

エンクロージュアの外形寸法は同じ。
厳密に言えば、カタログ発表値は、
620Aは620Bよりも高さが4mm、奥行きが3mmの違いがある。
補強棧がどうなっているのかは、エンクロージュア内部をみたことがないのでなんともいえない。

620Aと620Bのエンクロージュアの外観的な違いは、バスレフポートの向きにある。
どちらも細長い四角の開口部のポートであっても、
620Aは横長なのに対し、620Bでは縦長に配置されている。

620Aではフロントバッフルの中央より少し下の位置にある。
左右どちらかにオフセットしていることはない。
620Bでは片側にオフセットしていて、フロントバッフルの下部に位置している。

620Aと620Bではユニットが違い、それに伴いネットワークも違う。
厳密な比較は、だからできないのはわかっていても、
このバスレフポートの向きと位置の違いは、620Aと620Bの音の違いに少なからず関係しているはずだ。

バスレフポートの近接周波数特性を測定してみれば、違いは出てくる。

620Aと620Bのバスレフポートの向きと位置の違いは、意図的なことなのだろうか。
604-8Hになり、レベルコントロールが2ウェイに関らず中・高域が独立して調整できるようになり、
そのためコントロールパネルが604-8Gのころにくらべて、
ツマミがふたつになり縦に長くなっている。

620Aのバスレフポートのままで、その下に604-8Hのコントロールパネルは取付はできる。
けれど見た目を想像してほしい。
なんともまとまりの悪いアピアランスになってしまう。

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