Date: 11月 22nd, 2017
Cate: 戻っていく感覚
Tags:

好きな音、好きだった音(その2)

オーディオマニアにはモノマニアの側面がある。
モノマニアとしてみたときに、イギリスのBBCモニター系列のスピーカーには、
ある種のものたりなさを感じてしまう。

JBLのユニットは、モノマニアを満足させてしまう。
そういうところはBBCモニターに使われているユニットには、まったくない。

あと少し本格的なユニットをだったら……、と思うことはしばしばあった。
本格的なユニットがつけば、その分コストにかかってくる。
ユーザーに負担をかけることにもなる。

これで充分だろう、という作り手側の主張なのかもしれない。
そう頭でわかっていても、モノマニアの心情はそうはいかない。

イギリスでもタンノイ、ヴァイタヴォックスのユニットは、本格的なつくりだった。
フェライトになってからのタンノイはそうではなくなったが、
ヴァイタヴォックスのウーファー、ドライバーは、それだけ見ても魅力的だった。

それでも音を聴くと惹かれるのは、
モノマニアとしてものたりなさを感じてしまうスピーカーばかりといってもよかった。

うるおいがあったから、と(その1)で書いた。
たしかにそうである。
ずっとそうだと思い込んでいた。

間違っていたわけではない。
けれど40をこえたころからだったか、
それだけで惹かれていたわけでもないことに気づきはじめた。

私が惹かれたスピーカーの音には、力みがなかったからだった。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]