世代とオーディオ(JBL 4301・その18)
モノーラルのころからオーディオをやっていた世代の人たちからすれば、
4301も時代の軽量化を感じさせる、ということになるのかもしれない。
ハーツフィールドやハークネス、オリンパス、パラゴンといったJBLのスピーカーを、
その時代時代で、見て聴いて体験してきた人からすれば、
4301をみて、JBLも……、と嘆くのだろうか。
かもしれない、という気持が半分と、
いやそうじゃない、という気持が半分ずつある。
ただ4301は、時代の軽量化ではないと思うのは、
JBLのバッジのついた商品というのではなく、
JBLの音が聴けるモノだから、である。
Control 1はJBLの音がしないのか。
しないとは言い切らないが、ここまでをJBLの音といっていいのだろうか──、
という気持が常に残る。
4301には、それはない。
ハーツフィールドやパラゴンなどのスピーカーは、
いまではヴィンテージといわれることがある。
それだけの歳月が経っているわけだが、
4301も同じくらいの歳月を経たとしても、ヴィンテージとはならない。
少なくとも私は4301をヴィンテージJBLとか、そういういい方はしない。
それこそ時代の軽量化ではないのか、と問われれば、
いまのところ答に窮するところがあるのは自分でもわかっている。
なのに4301は違う、と思ってしまう理由を見つけたいから、
この項を書いている、ともいえる。