続・再生音とは……(波形再現・その7)
電圧発生器か電力発生器という、カートリッジの分類は、
スピーカーを聴いていても、同じではないかと感じるところがある。
音圧発生器なのか音力発生器なのか。
そんな違いが、古くからのスピーカーを含めて眺めてみたときに、あると感じる。
ここでも波形再現の精度が高いのは、
音圧発生器といえるタイプのスピーカーシステムであることが多い。
音力──、
電気に電圧と電流があって、電力が、その積として存在するように、
音も、音圧だけでなく、音力といえるものが存在するように、感覚的には直感している。
何度か、アナログディスクはエネルギー伝送、CDは信号伝送、
そういうイメージがあることを書いている。
デジタルのハイレゾリューションの方向は、信号伝送メディアとして間違ってはいない。
でも正しい、とは、素直に書けない(思えない)何かを感じてもいる。
何かが足りないのではないか、という感覚が、いまのところ残る。
それが何なのかは、コンピューターのディスプレイに表示される波形だけをみていては、
いまのところわからないもののはずだ。
スピーカーから発せられる音をマイクロフォンで捉えて、
その波形とCDプレーヤーの出力は系とを比較して、波形再現を目指すのは、
オーディオの再生系を信号伝送系として捉えるのであれば、
ここでも間違ってはいない、といえるけれど……、となる。